ホームヘルパーの仕事に身体介護があります。身体介護とは、実際に身体に直接触れながらお世話をするケアのことです。その内容には食事、排泄、入浴、清拭などが挙げられます。
ホームヘルパーは、要介護者が生活を送る上で、どのような障害があり、どこまで自力でできるのかを把握しておかなければなりません。そのためには、あらかじめコーディネーターから情報収集をした上で、自分でも利用者をよく観察する必要があります。
身体介護は、単に身体に触れることだけに気を配っていればいいというわけではありません。
たとえば、身体の清拭を行う場合は、身体の汚れを拭くだけでなく、風邪を引かないよう室温に気を配り、清拭時の肌の露出や速度などに細心の注意を払う必要があります。さらに湿疹や床ずれがないかなど、皮膚の観察を行うことも求められます。
その中でも、一層配慮が必要なのが、排泄介助です。
介護を行うのは、必ずしも同性ではありません。基本的なことですが、おむつの交換時には戸を閉め、カーテンを引いて手早く行います。トイレまでの誘導介助であれば、ドアの外で待機する際は、プライバシーにも十分配慮しなければなりません。
また、利用者に気管カニューレの挿入、留置カテーテルや人工肛門の装着といった医学的管理を行う場合は、担当の医師や看護師の指示が必要になります。
そのように、何らかの疾病や障害を持っている利用者を担当する場合は、きちんと医療の知識を把握した上で、細心の注意を払うことが求められます。